こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
本日の「Leather Tips!」は当店でもメインで使用している革素材、イタリアンレザー 「プエブロ」が
なぜここまで経年変化するのか、という秘密に迫っていこうと思います。
この記事を読めば、プエブロの経年変化をコントロールできるようになる・・・はず!
Leather Tipsとは・・・
Tips = もともとIT用語で、ヒント、小ネタ、秘訣、などの意味
Leather Tips! では革についてのちょっと面白い知識をご紹介していきます。
目次
ヒミツ:1|プエブロは「スクラッチ加工」された革
プエブロは「銀磨り」と呼ばれるスクラッチ加工を施された革。
実はこの加工にこそ、経年変化のヒミツがあるのです。
スクラッチ加工とは
銀面(表面)を真鍮のブラシで弧を描くように磨上げて、軽く起毛させること。
古くより銀磨り革と呼ばれていましたが、最近では「スクラッチレザー」と呼ばれることもあるようです。
表皮の上に起毛した層を作るような感じですが、言葉だけだとなんとも言えないので
簡単な図にしてみると、こんなイメージになります。
スクラッチ加工された革は軽く起毛しており、和紙のようにザラついた質感が特徴的。
中でもプエブロは職人の手により1枚ずつ丁寧に仕上げられており、独特の磨り模様が入っています。
スクラッチ加工がもたらす、経年変化への影響
スクラッチ加工されたタンニン鞣し革は、
その殆どが「経年変化しやすい」革といっても過言ではありません。
それは「起毛した銀面(表面)」にヒミツがあります。
この画像のように、起毛した銀面は使用しているとその毛羽立ちが徐々に落ち着いてきます。
起毛した部分は、本来より少し淡い色合いになるのですが、
それが落ち着くことで、地の色が姿を現す・・・といったイメージですね。
そのため、普段から圧力がかかる部分は、より経年変化がわかりやすく楽しめるのです。
ヒミツ2:経年変化のメカニズム
一般的なタンニン鞣しの経年変化には2つの仕組みがあります。
それは、「紫外線による色の変化」と「含浸オイルによるツヤの変化」です。
ここからは「ベジタブルタンニン鞣し」が
どのような特徴を持っているかを理解している前提でのお話をさせていただきますので
「ちょっとよく分からない・・・」という方はこちらをどうぞ!▼
植物由来だからこそ変化する色
タンニン鞣しの「タンニン」とは植物などに含まれる「渋」のこと。
柿などを食べた時に感じるあの「渋み」こそ、タンニンです。
このタンニンは紫外線に当たることで化学反応を起こし、色が変わるという特徴があります。
身近なところでいうと、一部の樹木では葉の中でタンニン成分が増えることで
茶褐色に変化することがありますが
ざっくり言ってしまえば、革の経年変化も似たようなものですね。
他にも、自然由来の染料を使用しているため褪色と呼ばれるような色の変化もあり
使い方によって表情が変わる面白さを持っています。
含浸オイルが生み出す革のツヤ感
オイルを含んだ革はツヤが出やすいのですが
これは使用により圧力がかかった部分に内部に含んだオイルが表層まで浮き出てきている現象です。
このように表面に圧がかかり、内部のオイルが表層近くまで染み出してくることで
オイルレザー独自の経年変化である「ツヤ感」が出てきます。
特にイタリアンレザーには天然由来のオイルがたっぷり含まれているので
普通に使っているだけでもこのように透き通るようなツヤが生まれます。
まとめ|経年変化のコツ
さて、ここまでの内容をまとめると・・・
・起毛+含浸オイルのダブルアタックによりアタリが出やすい
・天然由来の成分で美し発色→変化が楽しめる
これらを複合的に組み合わせることで、
プエブロの経年変化をある程度コントロールすることができます。
たとえば・・・
・早くツヤを出したい!
→よく触る、撫でるだけでOK 。強めに擦ると特にツヤが出やすいです。
・色をもっと濃くしたい!
→ 追加のオイルが効果的です。ラナパーなどでも十分効果的。
・起毛って戻せないの?
→実は戻せます!ケアブログで裏技をご紹介しておりますのでご参考に・・・
本日の「Leather Tips!」は以上となりますがいかがでしょうか?
プエブロならではの経年変化の仕組みを理解して
より深まるプエブロライフ(?)をお楽しみいただけたらと思います。
ではでは、今週もどうぞよろしくお願いいたします!
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