簡単にできるコバのお手入れ|傷もツヤも元どおり!

メンテナンス前

こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。

当店の革製品は革の断面が見えている、いわゆる「切り目」という構造で製作しているものが多いのですが
その断面(=コバ面)のメンテナンスについてご紹介していこうと思います。

※注意事項
作業の中には専用の磨き剤や、染料を使用することがございます。
磨き剤や染料は、正しく使わないとシミの原因になったり、洋服に付着すると落ちないことがございます。
作業中はエプロンをつけるなど、十分にご注意ください。
作業中に発生した事故等においては当店は一切の責任を負いかねますので、何卒ご了承くださいませ。

また、こちらの記事でご紹介する方法は、すべて当店の革製品が対象となります。
他社製品では対応できない場合がございますのであらかじめご了承くださいませ。

と、少しだけ注意事項を書かせていただきました。
特に染料を使用する場合はご注意くださいね。

それでは本日のお品書き〜

コバとは?

メンテナンス前

コバは漢字で書くと「木端」。元々は木の切れ端を意味する言葉だったようです。
当店の商品で、カードケース”kasane(カサネ)”というものがあるのですが(上記画像)積み重ねた革がまるで木目のような印象ですね。

縁の仕上げには主に「切り目」と「ヘリ返し」があります。
イタリアンレザーの特徴は天然オイルが含浸しているため、磨き上げることで光沢を得るという魅力があり
当店では「切り目」の仕立てを選択することが多いです。

なるべく家にあるものでメンテナンスを

メンテナンスキット

ということでメンテナンスに使えるものを集めてみました。
あくまでも「なるべく」です。

どんなものを使うのかを順番にご紹介していきますね。

「へ?なんて?」という声がちらほら聞こえてきますね。
水です。ウォーター。かのヘレンケラーが言葉という概念に気がついた時のアレです。(やかましい)

使い方は後述しますが、ちゃんと水でも綺麗に磨けます。

ティッシュ

「おい、真面目にやれ」と、ざわつきが出てきましたね。
いや、真面目です。仕事としてやらせてもらってる僕が使うとコスパが悪くて使いませんが
メンテナンスで時々磨くのであればティッシュも有効な道具になります。

ところであなたはティシュー派?ティッシュ派?
僕はティッシュ派。

馬下ブラシ

お手入れの定番、馬の尻尾の毛を使ったブラシです。
革製品をお持ちでしたら、1本持っておいて絶対に損はさせません。
「まさにマストバイ!」ということでこれは生活用品でOKですね。うん、あるある。家にある。

磨く前に細かいホコリや汚れを落としてしまいましょう。

耐水ペーパーヤスリ

番手は400番と1000番があるとなお良いです。

この辺になるとちょっと家にあるかどうかは苦しくなりますね。
DIYが好きな方ならあるいは。。。

コバ磨き剤

ここからはレザークラフトが趣味です!っていう人じゃないと持ってないですね。
専用の磨き剤です。

「トコノール」や「トコプロ」など、クラフト関係大手から販売されているので
革材料を販売している店舗では必ずと言っていいほど置いてあります。

平たくいうと、薄い糊状のものに、ワックスなどの仕上げ剤を混ぜたものです。
滑らかな仕上がりになります。

染料(アルコール性)

コバに挿す染料です。

色の違う革を重ねて塗っていたり、全体の雰囲気を締めたい時に使用しています。
大手から販売しているものでは「バチック」と「スピラン」の2種類があるのですが
「バチック」・・・水性
「スピラン」・・・アルコール性

水性は薄めたり調色したりが容易で革全体を染色するのに向いていますが
コバ磨きにおいてはアルコール性の方が乾きが早いので、僕はこちらを使います。

ちなみに、顔料と比較した際のメリットはポロポロと剥がれないという点があります。

綿棒

落ち着いて、大丈夫。急に耳掃除なんてしませんよ。
ちゃんとコバ磨きに使います。
染料は指に着くと落ちませんので、一度綿棒に含ませてから塗布していきます。
染料、本当に落ちにくいのでご注意を。

初級編|水で磨く

水磨き

それではまずは初級編の水磨きから。
この方法で対応可能な対象は、染料で染められていない革製品。
浅い傷ならこれでも十分磨けます。

耐水ペーパーでヤスリがけ

ヤスリがけ

まずは細かい傷を落としていくためにペーパーでヤスリがけをします。
この段階で光沢がなくなり、全体がサラサラするくらいまで磨きましょう。

ヤスリ後

細かい凹凸が均されてサラサラした表情になりました。
ナチュラルな木目のようでこれはこれで良いですが、今日は磨きのブログなのできっちり仕上げていきましょう。

少量の水を全体になじませる

少量の水をティッシュに含ませて水拭きのようにコバ面になじませていきます。
この時、水が他の部分につかないようにご注意ください。
水染みができてしまう原因となりますので、必ず磨く部分だけに正確に。

乾拭き

コバ面に水分をなじませたら乾く前に乾拭きの要領で磨きをかけます。
この際は乾いたティッシュで。
親指の腹を使って、少し圧力をかけながら磨くとより光沢が出ます。

磨き後

一度軽く磨くだけでもこんな具合に、細かい傷が目立たなくなりますね。
ヤスリの番手を400〜1000番にあげながら3回くらい磨けば、細かい傷もなくなり綺麗になります。

ここまでが初級編。
染料が入っていなければ比較的家にありそうなものだけでも綺麗に磨けますので、ぜひお試しを。

中級編その1|磨き剤でコバ磨き

磨き剤

さて、ここからは中級編。比較的入手しやすいもので磨いていきます。

レザークラフトを経験したことがある方ならおそらく9割の方がご存知の「トコノール」や「トコプロ」
僕も始めたてのころからお世話になっています。布海苔を水に溶かして自分で磨き剤を作ることもできますが
今日はお手軽メンテナンスなので市販のものを使いましょう。

ヤスリがけをしたところまでは共通ですので省略します。

コバ剤の塗布〜磨き上げ

コバ磨き

あらかじめヤスリがけして均されたコバ面に、均等にコバ磨き剤を塗布していきます。
何か道具を使用しても良いのですが、僕は指でそのままつけちゃいます。
(水溶性なのでふき取ったり、手を洗うだけで簡単に落ちます)

水磨き同様に、コバ面以外の部分についてしまうとシミの原因になります。
こちらも十分ご注意の上で作業してください。

塗布した後、半乾きの状態で、乾いたティッシュで磨いていきます。
こちらも水磨きの時と同じ要領で、指の腹を使い少し圧力をかけて磨いていきます。

そうして磨かれたコバがこちら▼

コバ磨き後

本来の滑らかなコバ面が復活しましたね。

細かい傷も経年変化の一つなので、育てる上で楽しんでいただきたい一面ではあるのですが
こう言ったメンテナンスをすることでより一層愛着が湧いてくるような気がしませんか?

コバ磨き剤はコバ磨き以外に使うことができませんが
せっかくなのでご用意いただいても良いかもしれませんね。

中級編その2|染料を入れながら磨く

ビブロス磨き前

水磨きと同じ要領で、水の代わりに染料を使用します。
コバ面を染料で染色した商品を対象となるので、ここではリングプランナー “byblos(ビブロス)”君を磨いていきます。

長く使用しているとコバ面の染色した部分が削られて、染まっていない奥の部分が出てきてしまうことがあります。
(特に折り曲げや角が当たる部分など)

こちらはプロトタイプで2年ほど使用している僕のビブロス君です▼

磨き前

少し削れて革の色が出てきてますね。これを綺麗に染めて磨いていきます。

磨く前に分解して、ブラッシングしておきましょう。

ビブロス ブラッシング

ヤスリがけ

ヤスリがけ

手順は水磨きの時と同じです。
まずはコバ面に残った染料を綺麗に落とすくらい、ヤスリがけで断面を均一にしていきます。

番手は1000番でも大丈夫ですが、細かい傷が木になる場合は400番から丁寧に磨いていきましょう。

染料を入れて磨く

染料磨き

ヤスリがけが終わったらいよいよ染料を挿していきます。
何度も注意させていただきますが、染料は衣服や指に着くと本当に落ちません。うっかり革に垂れようものなら取り返しがつきません。
なので取り扱いには十分ご注意下さいませ。

染料挿し

他の部分につかないよう、慎重に、かつ手早くコバ面に染料を挿していきます。
アルコール性なので揮発しやすく、すぐに塗れなくなってしまいますが、一度にたくさん含ませると垂れ落ちてしまいますので、何度かに分けて丁寧に作業しましょう。

コバ磨き剤

染料をコバ面に塗布できたら、コバ磨き剤を使用して磨いていきます。
コバ磨き剤は色止め防止にもなりますので、染料を使用した後にコバ磨き剤を使用することをお勧めします。

塗り終わったら半乾き状態で磨いていきます。

磨き

光沢が出てくるまでしっかり磨いていくと・・・

磨き後

1巡しただけでこの通り!パサついた部分が見事に復活しましたね。

ちなみに製品づくりの際は、この工程を何度か繰り返しつつ
捻入れやミツロウを染み込ませながら堅牢に磨いていきます。

上級編|捻入れ、ミツロウ磨き

ここからはもうセミプロ以上の技術なのでご自身でやるには難しいと思うのですがご紹介を・・・

捻入れ

捻入れ

熱した専用工具を使用して、縁に圧力を加えながら捻を入れていきます。
装飾的な意味合いの他、繊維が締まり耐久性も向上します。

ミツロウ磨き

ロウ入れ

こちらも専用の工具を使用して、溶かしたミツロウをコバ面の繊維に流し込んでいきます。
この工程により、繊維の中でミツロウが硬化してコバ面の耐久性を向上させるのです。

天然のミツロウは溶かすと少し甘い匂いがします。

メンテナンスのご相談について

さて、いかがでしたでしょうか?

意外と初級編だけでも気軽に磨けるな〜と感じた方、ぜひお試しくださいね。
そこからズブズブとコバ磨きに嵌っていくことでしょう・・・笑

また、上記でご紹介した上級編などを含めたメンテナンスのご相談などございましたら
お見積もりさせていただきますので、お気軽に下記フォームよりお問い合わせくださいませ!

その他、メンテナンス関連はこちらでご紹介しておりますので是非ご参考に・・・

ケア&エイジング

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