夏こそケアを5分でできるプエブロ革小物のお手入れ

レザーケア

ども、クリモトです。
なにやら雨が続き、ジメジメした天気が続いてきました・・・。
そこで気になるのが、やはり革製品のお手入れについて!
当店では「プエブロ」というイタリアンレザー を使用しているのですが、そのケアの方法についてお話していきます。

その他、ケア関連ブログをこちらにまとめておりますので、是非ご覧くださいませ!

ケア&エイジング

タンニン鞣し革のケア方法について

一般的な革のお手入れについては既に色々と情報があるのでサラッと書いておきますと
・乾拭き
・ブラッシング
・保湿(オイルの継ぎ足し)

この流れでまずは問題ないと思います。(シミや汗などは別として)
簡易的な解説は下に列記しますのでご参考までに・・・。

乾拭き
銀面(革の表面)を乾いた柔らかい布で拭き取ります。
目には見えませんが湿気が革に付着していることがありますのでそれを吸い取る感じをイメージしてください。
こすりつけるのではなく、本当に優しくなでる程度で大丈夫です。
注意したいのは繊維の質。綿でできた布を選びましょう。化学繊維は革を傷つけてしまうので注意が必要です。

ブラッシング
まずは埃や毛穴に詰まった汚れをブラシで落とします。色々なブラシがありますが、僕は馬毛をお勧めします。
適度な硬さで色々な革に使えますし、お値段もお手頃なものがあるので入手しやすいです。
汚れを落とす前にオイルなどでの保湿してしまうと、汚れを定着させてしまう原因となりますので
面倒臭がらずに丁寧に。
必要であればこの後、柔らかい布にクリーナーを付けて銀面を優しく拭き取りましょう。

保湿(オイルの継ぎ足し)
最後に、レザーケアオイル(ワックス)で表面を保湿、保護します。
この作業をすることで、革を傷や汚れから守ってくれます。

さてさて、基本のおさらいはこれくらいにしておいて、次から当店で使用している革についてのお話です。

当店で使用しているイタリアンレザー 「プエブロ」について

プエブロ ペトロリオ
鮮やかな青のペトロリオ

当店で使用している代表的な革素材「プエブロ」についてですが・・・
表面を見てわかるように毛羽立ったような銀面が特徴的な革。

最近は様々なヨーロッパのタンナーが同じような工程で製造しています。僕も色々使用してみましたが、中でも当店で使用しているバダラッシィ・カルロ社の皮革は群を抜いたクオリティです。

特徴その1 毛羽立ちのある表面
まず、このプエブロという皮革は、表面が毛羽立っている「ヌバック」という革の種類となります。
この毛羽立ちが経年変化のキモになるのですが、使用していると自然とこの毛羽立ちが寝ていきます。
するとサラッとした和紙のような表情がツルッとした滑らかな肌触りに変化していきます。
なので、使用していれば表面に圧力がかかり、自然と変化していくのです。

特徴その2 細かい繊維の芯まで染み込んだオイル
バダラッシィ・カルロ社の牛革は魚介系ではなく、牛のオイルを浸透させています。
原皮のきめ細かさも相まって経年変化も上質なものとなります(ここは人によって感じ方が違うかもしれませんが)
その1で紹介した通り、毛羽立ちが寝ていくと今度は芯に染み込んだオイルが表面に現れます。
すると、新品とは全く異なるオイリーで艶のある表情へと変化していくのです。

▼もっと深く知りたい!という方はこちらもどうぞ・・・

プエブロは手入れいらず??

・・・というのは極論ですが、ほぼ手入れなしでも素晴らしい経年変化が楽しめます

ここまで読んで感の良い方ならお気づきかと思いますが
通常、革のお手入れには保湿が必須だと思いますが、このプエブロという革に関しては、オイルを継ぎ足すと毛羽立ちが寝て一気に地の濃さが表面に現れてきます。

ブラッシング
こちらは出荷前のブラッシングの様子。丁寧にブラシをかけてからお届けします。

表情を敢えて変化させたい人はこの手法もありかと思いますがしなくても十分なポテンシャルを革自体が備えているのでゆっくりと経年変化を楽しみたい方は軽いブラッシングで埃や汚れを落とすだけで十分だと言えるのです。

ただ、夏と言う季節を除いては・・・

夏のケアはココが大事!

さて!これからの時期はここが大事ですね。
夏にするべきプエブロのケア方法。

それは・・・

ズバリ「乾拭き」です!

乾拭き
布を巻きつけ、優しく撫でるように拭きます。

まず夏場は自ずと湿度が上がり、ジメッとした気候が多くなります。
次いで、汗による濡れのリスクもあるので、ポケットなどにいれて使用する場合は特に注意が必要です。

湿気や汗などの水分がなぜ悪影響なのかというと、プエブロがオイルレザーであるという点。

水分を含んだ革は、中に染み込んだオイルと一緒に揮発してしまいます。
油分は革でいう所の防御力。油分を失った革は傷つきやすく、汚れも吸収しやすくなってしまうのです。

そこに汗が入り込むとシミやカビの他にも、適度な水分を失ってしまうと人間で言う乾燥肌のようにひび割れの原因となります。

ひび割れ
乾拭きをしなかった財布(左)と適度に乾拭きをした財布(右)

プエブロに関して言うと、上質な繊維とオイルの影響もあり、ちょっとやそっとの水気ではそこまでダメージを受けませんが、継続してダメージを受け続けるとやはり辛いところがあります。
しかしオイルによる保湿は不要・・・となると必要なのは「乾拭き」による水分除去となるわけです。

ちなみに僕は無印良品の落ちワタふきんを使ってます。もちろん綿100%です。前述しましたが化学繊維は避けましょう。
12枚で500円くらいです、たしか。

是非、ブラッシングと併せてお試しくださいませ!

※水分を飛ばすことを目的としていますが、ドライヤーなどの熱は絶対にかけないでください!
革自体の組織の方向を曲げてしまい、変形する可能性がありますのでご注意を・・・。

大事に使うよりは、どんどん使って欲しい革

ペトロリオ経年2

深く、艶のある経年変化を楽しんでいただきたいというのが当店のポリシーです。

革製品は使わずに置くと、オイルの自然揮発や紫外線による色素破壊により褪色したりすることがあります。しかし、当店で使用している革は使うごとにその深みと味を増していきます。

つまるところ、良質な素材ではありますが、そのままの状態を保とうと丁寧に扱うのではなく
どんどん使い込むことで、プエブロ自体のポテンシャルが引き出される
と、僕は考えています。
そしてその変化こそが、持ち主にしか得られない、変えがたい体験となるのです。

革が教えてくれる人生の素晴らしさ

その辺を詳しく突っ込んだのがこちらの記事ですので、もしまだ目を通していない方はぜひ、読んでいただきたい記事です。

今日は少し長めになってしまいましたね・・・。
ココまで読んでいただきありがとうございます!
夏は革にとっても厳しい気候ですが、正しいケアをしていれば素晴らしい経年変化を得ることができます。

汗や水分などのダメージを受けても焦らず、まずは乾拭きで水分を飛ばしましょう。

ではでは、この夏も良いレザーライフを!

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