こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
当店ではあまり表には使用しておりませんが、実は魅力たっぷりな豚革についてのブログ。
美味しいだけじゃなく、革も素晴らしいなんて・・・!
目次
豚革は高級素材?
豚革(ピッグスキン)と聞くと、なんとなく牛革と比較してランクの低いイメージがありませんか?
いえいえ、そんなことないですよ。
古くよりヨーロッパのハイメゾンでも使用されてきた豚革。
当店ではインナー素材としてよく使用していますが、実はかなりハイスペックな素材なのです。
今日はその魅力と特徴を細かくご紹介していきます。
落ち着いたピッグスエードなどは人工繊維にはない高級感を持っていますね。
豚革の特徴と、その魅力について
当ブログサイトでも度々ご紹介してきたのですが、豚の原皮の産地ってどこだと思いますか?
・・・
はい!日本です!!
革の元素材となる原皮は食肉加工の副産物。
その原皮を鞣すことで製品に使用する「革」となるのですが、その生産のほとんどが実は国内、東京都墨田区で賄われています。
一方、牛革の生産も姫路などで行われていますが、原皮に関しては実は輸入(北米産)が多いです。
物理的に牛革の単価が高くなる要素の一つでもあります。
豚革の特徴
通気性の高さ
豚革には特徴的な毛穴(必ず3つセットになっている∴←こんな感じの毛穴)があります。
牛や馬と比較して、毛穴の数が多くなり、通気性が高くなります。
インナーとして使用すればカビの防止などにも繋がるため、靴作りなどでも重宝されています。
摩擦への耐久性の高さ
豚革は柔らかくしなやか。摩擦に強いという特徴があります。
なので折り曲げたりする部分に使えば、製品寿命をより永くしてくれるという利点があります。
当店でもロングウォレット のインナーに使用したりしていますね。
薄く、柔らかく、軽やかな革
これは一長一短でもあるのですが
豚は網場層と呼ばれる層がなく、銀面の下はすぐに皮下組織からなり
革として使用できる部分が銀面と呼ばれる層しか残らない、という理由があります。
それゆえに薄く(1mm~1.5mm程度)しか生産ができないのですが
全体が細い繊維束で構成されており、丈夫な素材と言えます。
当店で使用している豚革の種類
豚革といっても、実は様々な種類があるのですが、大きく分けると2種類。
実際に当店で使用している豚革に沿ってご紹介していこうと思います。
アメ豚・揉み豚
アメ豚
タンニンで丁寧に舐めした後、グレージング加工(摩擦による圧力)を加えた豚革。
透き通るような銀面が特徴的です。
元々は亜麻仁油を塗布してから圧力を加えることで自然な飴色になることから、「アメ豚」と呼ばれていますが
現在では加工方法も変わり、こげ茶などの色もあります。
豚の革はその特徴から等級があるのですが、一部のアメ豚は実は牛革よりも高値だったり。
表に使用しても綺麗な表情を見せてくれるのが特徴です。
揉み豚
揉み豚はそのとおり、揉み込んだ豚革です。
アメ豚と同じ鞣しで、揉み加工を加えるのですが、きめ細かい揉みシボを出すのに、実は豚の細かい繊維は最適。
柔軟で耐久性のある革として裏地に重宝されます。
ピッグスエード
スエードとは、革の裏面を起毛させることで素朴で、温かみのある風合いに加工した革のこと。
繊維が細かく、ほぼ銀面層からなる豚革はスエードに向いている素材と言えます。
また、表の毛穴模様とは関係なく使用できる素材なので、使う場所を選ばないのも便利なところ。
もちろん、豚革ならではの通気性も兼ね備えていますので当店でもバッグのインナーなどに使用しています。
撥水ピッグスエード
当店では半永久的に撥水性を持つピッグスエードを使用しています。(とは言え、通気性も備えているためそのままにしていると浸透します)
こちらの画像のように、少しの水分であれば転がるように弾きます。
元々豚革は水に弱いと言われがちでしたが、その弱点すら克服したスペシャルな素材。
撥水加工されているため、色落ち防止にも一役買っています。
豚革の魅力のおさらい
さて、いかがでしたでしょうか?豚革、実は凄い!が伝わったなら幸いです。
ここでおさらいしておきますと、
・通気性が高く、カビが発生しにくい
・摩擦に強く、折り曲げる部分などで使用することで製品を長持ちさせる
・薄く、軽やかで丈夫
というところがポイントですね。
石油由来の合成皮革のインナーと比べると、性能面ではどの点においても勝てる自信があります。
(コストでは負けますが、そこは惜しまず)
ではでは本日はこの辺で。今週も元気にいきましょー!
オンラインストアも元気に営業中!▼
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