こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
いやはや、早いもので12月も中旬・・・。おかげさまであっという間の毎日です。
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さてさて、そんなこんなどったんばったんしている日々なのですが
ちょっと今日は文字を書いていると眠ってしまいそうなので直近の製作風景をお送りいたします。
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2021/08/fb8870748e3cdc672d5b5c7c8e41f0bf.png?resize=32%2C37&ssl=1)
粗裁ち、ベタ漉き、本裁ち
![粗裁ち](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68b5.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
まず、革を加工しやすいように本来の形から一回り大きいサイズでザックリと切り出します。
これを「粗裁ち」といいます。裁縫などでもよく取られる手法ですのでご存知の方も多いかと。
で、みてくださいよこの厚み。
このまま製品にしたら、そらまぁ極厚なお財布が出来上がりますわな。
それはそれで面白そうなんですが、今回はミドルウォレットの製作なのでそんなことしません。
次に「ベタ漉き」という工程で革の厚みを調整していきます。
![ニッピー](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_5b52.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
こちらが漉き機。
本来はコバ漉きといって革の厚みで段差をつけるための加工をする機械なんですが、調整次第では革全体の厚みが調整できます。
ちなみにこの子、僕より年上の年代物です。(この子じゃ失礼ですね)
![ベタ漉き後](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68b6.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
ちゃちゃっと漉いてこんな感じです。
ちなみに、粗裁ちの段階でベタ漉きをかけるのには理由がありまして。
その理由とはズバリ「革が伸びる」からです。
革は良くも悪くも柔らかく、しなやかに強いのですが、繊維なので引っ張れば伸びます。
本裁ちをかましてから漉きをするとその分の誤差が発生しますのでなるべく避けたいところですね。
![本裁ち](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68b8.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![本裁ち](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68b7.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
いろんな刃物を使って切り出します。
革包丁、小刀、カッターナイフ。
ちなみに僕は極力革にマーキングをしません。
一番は時間がかかるからなのですが、さらに言ってしまうと型紙→罫書き線の段階で少し精度が落ちます。
型紙をロストするリスクはありますが、直接行くのが一番精度が高く切り出せます。(人によりますが)
![切り出し](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68b9-1.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
ここまでで本裁ちが完了しました。
最初のずんぐりむっくりから比べるとだいぶスマートになりましたね。
次は下拵えに入ります。
磨き、捻入れ
縫製前に磨く部分をきっちり磨き上げることで、製品全体のクオリティを上げていきます。
「神は細部に宿る」
とは良く言ったもので、僕はモノ作りをするときに必ずと言っていいほど
この言葉を一度は心の中でおまじないのようにつぶやいています。
![ヘリ落とし](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68ba.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
まず革の裁断面のヘリ(角の事)を落としていきます。このときにヘリ落としという刃物を使用します。
革の厚みや種類によっては落としたり落とさなかったりしますね。
![捻入れ磨き](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68bc.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![捻入れ磨き](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68bd.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
全体を磨いたあとに縁捻を使って仕上げていきます。
縁捻(革のコバ面に入れる線)は熱処理をすることにより二つの効果が得られます。
一つは装飾的な効果。きっちりと入っていると高級感が増します。
もう一つは熱による繊維の焼締め。これをする事で繊維が締まり、型崩れしにくくなります。
さて、次はいよいよ縫製です。
縫製、組み立て
![縫製](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68be.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
ミドルウォレット “medio(メーディオ )” 最大の特徴とも言えるコイン収納部。
ササマチという構造を先に縫製してから本体に組み合わせていきます。
![縫製](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68c0.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![縫製](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68c1.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
すっかり暗くなってしまったので電球色になってます。
冬場は昼の時間が短くてなんとなく切ないですが、夜は夜で好きだったり。
![縫製](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68c2.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
ちくちくちくちくちくちく縫っていくとこんな感じに出来上がります。
この日はここまでで作業はおしまい。
本体の組み合わせは翌日になりました・・・。
・・・
翌朝
![組み合わせ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68c3.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
おっはようございまーす!ということでお仕事の続きです。
今回はカラーオーダーが2つと定番のペトロリオが一つです。
アイボリーのステッチは少し緊張します。
それではさっそく組み合わせを。
![組み合わせ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68c9.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![組み合わせ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68cd.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
SNSにはちょいちょいアップしてるのですが、ここで活躍するのが仮止めピン。
昔のブログでもご紹介していますのでご興味ある方はこちらからどうぞ。
二つ折りは内装と外装の間にゆとりを持たせないと綺麗に折り曲げる事ができません。
しかしながら、この空間が圧着を剥がす方向に力がかかってしまうのでピンで固定しているのですね。
![縫いあがり](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68ce.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
で、なんやかんやあって縫製完了です。
一部にミシンを使用していますが、このお財布を手縫いで仕立てる理由は「構造上ミシンで作れない」から。
なので大量生産はできませんが
手縫いの温もりも合間って、とてもお気に入りの型です。
磨き、仕上げ
![磨き前](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68d0.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
このお財布は少しインパクトのあるコバ面も特徴的。
ただ、それだけにこの部分をしっかり磨き上げてあげないといけません。
工程数にすると6〜7工程くらいあるのですが、諸事情により割愛させていただいてできあがったのがこちら・・・
![磨き後](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68d5.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
いつの間にか夕方です。。。笑
ちなみにこのコバ面は顔料ではなく、染料による染め上げののち、革を硬化させつつ磨いています。
時々ですが「剥がれませんか?」とのご質問をいただくのですが
剥がれるものを乗せていないので剥がれようがないのでご安心くださいませ〜。
![磨き後](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68cf.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
なんかこう、、、ビッグマックてきに持ってみました。。
さて、出来上がったものがこちらでございます!
![ミドルウォレット オリーバ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68db.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
![ミドルウォレット オリーバ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68dc.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![ミドルウォレット オリーバ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68dd.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
カラーオーダーのオリーバです。
渋いところとかっこいいところのいいとこ取りなカラーリング。個人的にも好きな組み合わせですね〜。
経年変化も間違いないです!
もう一つご紹介・・・
![ミドルウォレット アイボリーステッチ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68ef.jpg?resize=768%2C512&ssl=1)
![ミドルウォレット アイボリーステッチ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68f3.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![ミドルウォレット アイボリーステッチ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_68f6.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
こちらはペトロリオにアイボリーのステッチを。
目立つ色での縫製なのですごく緊張します。笑
内装の札分けにしようしたレッドブラウンがチラッと見えてこれまたいい感じに。
カラーオーダーについてはこちらからどうぞです〜▼
![ストアバナー](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/04/9dd1a4fe723eea028ccf4a518bf2ec20.jpg?resize=768%2C238&ssl=1)
あ、クリスマス、ギリギリ間に合います。ギリギリ!
あとがき
さてさて、今日はこんなところで。
なんだかんだがっつり書いちゃいましたね・・・。
今年も残すところあと僅か!
油断して体調を崩さないようにしましょうね。
cobalt leather works は12月28日まで製作、受注・お問い合わせは年中無休でございますので
どうぞよろしくお願い申し上げます!
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