「デザイン」と「もの作り」を通して対話する

デザインラフ

こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
本日のブログは、僕のもの作りに対する考え方と、一つのアイデアが形になって
使い手に受け取られるまでのお話がしたいと思います。

よろしければお付き合いいただけますと嬉しいです。

「デザイン」とは何かを考える

まずは考え方の基本である「デザイン」について
僕の考える「デザイン」は、「第3者の目」のイメージです。

僕自身は高校も大学も普通科に通っており、
デザインを「学業」として勉強したことがほとんどないので、専門的な知識はほぼないので
ちょっと言葉が分かりづらいかもしれません。

何かをゼロベースから創作する時、
僕は、自身の視点よりも「誰が」「どこで」「どうやって使うか」
を優先させながら、大枠の機能を考えます。
(個人的な趣味全開で作る時もありますが)

使い心地はもちろん、存在感も重視して、外観や内部構造を考えていきます。

もの作りにセンスは必要なのか?|才能 ≠ 感覚

結論から言うと、センスは必要です。

ただし、「センス」とは才能ではなく、その人が今まで見聞きして
体験、思考してきたものの集積の結果である後天的な「感覚」だと考えています。

それは決して特別なものではなく、好きでい続ければ磨かれていくもので、
どんなにオシャレな服を着ている人でも
昔のアルバムを見ると素っ頓狂な服装だったりすることってありますよね。

「好きこそものの上手なれ」

僕の好きな言葉の一つです。
日々の積み重ね。精進あるのみ、ですね。

イメージしながら、目的を持って企画する

イメージラフ

商品開発において、企画会議みたいなのってどこの会社にもありますよね。
個人でやってても同じことで、毎回脳内会議が行われます。

まずは先述した
「誰が」「どこで」「どうやって使うか」を考えて大枠を決めていきます。

例えば分かりやすいプロダクトで言うと
シューホーンキーホルダー horn(ホーン)の場合・・・

①革靴など、かかとを潰したくない人が
②靴を履く時に
③玄関で使う

と言うのがデザインの根幹。

外出する時に使うから鍵も一緒だと便利、と言うところまで想像して
「靴べら」の機能と「キーホルダー」の機能を加えていきます。

key holder "horn"

▶︎シューホーンキーホルダー horn(ホーン) の詳細を見る

おまけとして、
革の質感の変化や、真鍮の鈍い輝きなどを毎朝見ることで
その日のスタートを少しでも気持ちの良いものにしたい、、、
と言うメッセージを込めています。

手触りの確認と、試作の繰り返し

ゼロベースの物作りにおいて、一つのプロダクトが一発で出来上がるときは本当にごく稀で
基本的には何度も試作を繰り返して完成します。

試作

設計段階において、構造的な部分以外でも
「手に持って見た感じ」「デスクに置いて見た印象」「バッグから取り出す時の動作」などを
重要視しますが

革という素材だからこそこだわりたいのが、「手触り」や「存在感」です。

パスケース manica(マニカ)では、
①比較的安価なエントリーモデルとして、シンプルな単パスケース
②エントリーモデルだからこそ、革の質感の変化を楽しんでもらいたい
③そのためにもたくさん触ってもらえるような形状が望ましい

と言う流れがありました。
そのため、手に持った感触を何度も試作で繰り返し・・・

マニカ  フィッティング

▶︎パスケース manica(マニカ ) の詳細を見る

その結果として、手の平の親指の付け根からのカーブに、自然とフィットするような
絶妙な引っかかりができました。

一見して、ただの装飾的デザインにも見えますが

「ふとした時に。何となく触っている」と言う仕掛け(メッセージ)
何気ないこの曲線に込めているのです。

一つのプロダクトにメッセージを込める

ミシン縫製

このようにcobalt leather works では日々、山あり谷あり紆余曲折しながら
一つのプロダクトが世に産み出されていきます。

僕は、もの作りもコミュニケーションの一つだと思っています。
多分、そう思われている作り手の方は少なくないのではないでしょうか?

僕が生み出したものが、誰かの手に渡り、使われて、その場で実感が生まれる。
それは言い換えれば僕の「革製品に込めたメッセージ」をお客さまが受け取って、感じること。

だからこそ、時折レビューやSNSなどで反応をいただけるような相互作用も、
僕はお客さまと会話ができたように感じて、とても嬉しいのです。

カフレ

実はデザインの他にも、選んだ素材にもメッセージが込められているので
ご興味がありましたら、こちらもどうぞ・・・▼

植物と革

届けたい時間と暮らし|僕がプエブロを使う理由

あとがき

まずはここまで読んでいただき、ありがとうございます!

そして、もしお手元に当店の革製品がありましたら
改めてもう一度、触って愛でてやっていただけますと幸いです。

実はオンラインストアの商品ページにも、そういったメッセージを込めていますので
このブログの後に、ちょっと新しい視点でご覧いただけますと嬉しいです▼

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ではでは、今週もどうぞよろしくお願いいたします!