こんにちは。cobalt leather works を主催しております、クリモトです。
今日は久しぶりに僕の物作りに対する視点というか、思考的なお話を記しておきたいと思います。
デザインについての考えた方はこちらでご紹介しています▼
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2021/08/fb8870748e3cdc672d5b5c7c8e41f0bf.png?resize=32%2C37&ssl=1)
cobalt leather worksのなりたち
まずはこのお話からしないとですね。
cobalt leather works【コバルト レザー ワークス】
![プロフィール画像](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2019/06/IMG_4714.jpg?resize=512%2C342&ssl=1)
「コバルト」の名の通り、青色メインのファクトリーブランド(工房自らが発信するブランドのこと)です。
ブランドというと、多くは外注に仕事を委託して、大量生産のラインで生産していくのが基本ですが
僕は自分自身の手で作り、発信していくスタイルを取っています
それは僕の伝えたいメッセージを、自分自身の手で一つ一つ込めていきたい。
そんな想いが根底にあるからだと思います。
青の話
さて、「コバルト」の名を冠したブランドではありますが
空の青、海の青、宝石の青、炎の青
青と一口に言っても色々な青がありますね。
あなたが心に思い浮かべる青色は果たしてどのような色でしょうか?
僕の場合は、「夜明け前の群青色」です。
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/10/161a41d78de7e1f51501ab8153c739f7.jpg?resize=800%2C354&ssl=1)
深い深い夜の空は、東の方から少しずつ青みがかっていく。
うっすらと靄がかかり、ピリッと冷たい空気の中に、湿ったアスファルトの匂いが少し甘く感じる。
音があるはずなのに、静寂に包まれる不思議な時間の色。
それは確かに僕の力の源で、忘れられない原風景。
青は僕にとって、それを思い出させてくれた特別な色なのです。
なのでブランドの名前には必ず入れようと、さも当たり前かのように決まっていました。
革の話
革を素材として選んだ理由。
それは「変化、変質してこそ完成しうる」という点。
素材としての革は、少しアンティークに対する考えと共通するところがあると思います。
例え話になりますが、家具が古くなってもなお美しいと感じるのはなぜでしょうか?
僕は、そのモノに人の暮らした時間が加わるからだと考えています。
そして、そのくらい長い時間愛されるというデザインも、もちろん外せないファクターですね。
![ペトロリオ経年2](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/03/IMG_6448.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![オリーバ経年](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/03/IMG_6451.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/03/P1165871.jpg?resize=800%2C600&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/08/728bf550d7e07bf49bd2ed161e0e2c4b.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
よく触れるところは艶めいてきたり、ふとしたことで傷ができてしまったり、その修繕の跡だったり
革製品もアンティークも、そういった人との関わりの中で美しく育っていく。
そういった部分に、どこか自然の流れのようなものを感じ取り、革という素材に惹かれていくようになったのです。
ただ、僕は今でこそ、革を中心とした製作をしていますが、それはあくまでも手段。
もちろん革という素材が好きで、その性質に何かしら共鳴するものがあったので
僕は革職人として生きているわけですが
僕の伝えたいことがもっと表現できる素材があったら、きっとその素材もためらうことなく使うと思います。
なぜ、プエブロを使うのか
当店でメインの素材として使用している革は、これまでのブログでも紹介しておりますが
「プエブロ」という名前の少し風変わりなイタリアンレザーです。
革素材の中でもかなりクセのある銀面、経年により驚くほどの変化を見せる多様な表情。
商品云々以前に、まずは革の説明をしなければいけないほど、面倒な革です。
ではなぜそのプエブロを僕は使っているのかというと、
単純な話「お客さまに伝えたいことを表現できる革」だったからです。
プエブロの特徴とは・・・?
これに関しては何度か記事にしているのでさらっとおさらいを。
ベジタブルタンニン鞣し(植物由来の成分で鞣す工程)によって生産されるイタリアンオイルレザーの一種。
銀面は真鍮ブラシで毛羽立たせており、独特な表情をもちますが
最大の特徴は使用による性質の変化。
圧力により毛羽立った銀面は艶やかに、輝きすら放つように変化します。
鮮やかな色彩と、驚くほどの変化。
その2面性を持ち合わせる不思議な素材。それが「プエブロ」という革。
アンティークのように、時を刻み、共に育つことのできる革素材なのです。
もっと詳しい記事はこちらからどうぞ▼
届けたい時間と、暮らしの話
僕が cobalt leather works としていつも気をつけていること。
それは「当店の製品を使っている姿を想像する」こと。
この財布は使っているとこうなる、とか、このキーホルダーはこうすると使いやすい、とか
そういったことを考えながら、商品の企画を練り上げていきます。
![](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_9175.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![内装](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/06/IMG_8906.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
![リンクイメージ](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/06/IMG_7752.jpg?resize=700%2C467&ssl=1)
![植物と革](https://i0.wp.com/www.cobalt-lw.jp/wp-content/uploads/2020/02/IMG_5797.jpg?resize=800%2C534&ssl=1)
「ずっと使って欲しい」
その言葉の裏に、「その時間の中でしか味わえない、とくべつな時間を共に過ごして欲しい」
というメッセージを込めているからです。
僕にとって、群青色の原風景がそうであるように
cobalt leather works のレザーアイテムが、誰かの力になりますように。
その願いを楔として、いつも心に刻みながら日々製作しています。
このサイトのトップのメッセージ
” a wonderful wedge for you “
「あなたにとっての、素敵な楔」
さりげなく記されたその言葉は、そんな想いから生まれた言葉だったのです。
あとがき
さて、今日は結構文章だらけでしたね。
ブランドを運営していると日々コンセプトとの格闘です。
新しい企画を考えては、ああでもないこうでもないの繰り返し。
でもこうして言語化することで、今一度立ちもどれることもあるのです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回はそんなこんなでいよいよ新作の発表ができそうな・・・
で、ではまた来週〜!
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