こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
今日は久々の新作のリリースです。
いろいろ同時進行で開発は進めているのですが、そのうちの一つがようやく形になりました。
長かった・・・ここまで長かったです・・・!
今回ご紹介するのは「ビルフォールドウォレット」いわゆる「札バサミ」というタイプのお財布です。
シンプルな形状と、こだわり抜いた構造が特徴となりますので、
是非ご覧くださいませ!
手のひらサイズのフルスペック
quad(クアッド)は数字の「4」を意味しており
お札を二つ折りにした「四角形」から連想して名前を決めました。
今回の新作の開発において
テーマとして「お札の二つ折り、ジャストサイズを攻める!」という設定がありました。
収納量をカットすればそれは簡単なのですが、やはりコインやカードなどのスペックは落としたくない。
そんな想いから「フルスペックで、かつ最小限」というコンセプトが固まりました。
ただ、どうしても小銭やカード収納ではカーブのかかったデザインが頭をよぎりがちなのですが
そこは一貫して直線的で、無機質に。厚みを抑えつつ、使い勝手も両立したい。
製作開始から何度も何度も試作を繰り返し、ようやく完成した四角いお財布。
それが「クアッド」なのです。
基本構造|シンプルだからこそ、細部にこだわりを
シンプルな構造になると、内装は普通のお財布に比べるとパーツも少なくなりますが
だからこそ、そこにこだわって作り込むことでデザインが引き立つ、と考えています。
コイン収納の内装には豚革、マチは裏打ちをつける
芯材の位置をミリ単位で、革の厚みを0.1mm単位で調整する、などなど。
手に触れて、直に感じることのできるようなクオリティを目指しました。
札バサミ
ビルフォールドの所以たる、札バサミ。
2枚の革パーツを「綴じる」ような構造にすることで、札を挟み込む力を強くしています。
シンプルに挟み込むだけで収納する構造なので、余計なパーツはなく
それゆえにたくさんのお札を挟み込んでもあまり厚みが出ない構造です。
最大で15枚のお札を挟み込むことが可能で、「札バサミ」の名に恥じぬ収納力となっています。
コイン収納
革を薄くすれば、お財布自体も薄くなるのは当然なのですが、
そうすることで、耐久性や型崩れがしやすくなります。
例えばコインケースの部分で言えば、
コインの形が外に浮き出て、形状が崩れてくる可能性があります。
そのため、薄いながらもしっかりと耐久性を持たせなければなりません。
表と裏にしっかりと芯材を仕込み、豚革での裏打ちを施しました。
マチに仕込んだダークブラウンは、小銭を入れると少し見えるようになり
見た目的にも面白いのでお気に入りです。
カードポケット
カードポケットを中に仕込むか、外に出すかで悩んだのですが
最終的にはこのカードの「直線」もデザインとして捉え、外に出すことに。
多少取り出しにくくなってしまうのですが、敢えて深めのポケットにすることで、
カードのデザインが見えにくい構造にしました。
枚数も普段使用する頻度の高い3枚に厳選することで、シンプルさを際立たせています。
製作小話|背中の構造について
クアッドの「綴じる」構造で一番苦労したのが、実は背表紙とも呼べるこの部分。
綴じた構造を開くと、どうしてもこの部分にしわ寄せのような負荷がかかり、
「コバを仕上げても、使用していると割れてきてしまう」という難点がありました。
何度か試験運用を繰り返すうちに「ならば最初から別々に磨いて割ってしまおう」という結論に至りました。
それぞれ別パーツとして磨くため、縫製時に十分な接着ができず
結果的に製作難度が上がってしまったのですが・・・
この「別々に仕立てる」という構造が程よい「綴じ」を実現したのです。
オーダーについて
さてさて、そんなこんなでご紹介させていただきましたビルフォールドウォレット「クアッド」ですが
本日から公式オンラインストアにて受注を開始させていただきました!
こちらから、オンラインストアにも飛べますのでご覧いただけますと幸いです▼
ペトロリオとネイビーからお選びいただけます。
が、もし別カラーでの製作をご希望の場合は例のごとくお気軽にご相談くださいませ。
ではでは本日はこの辺で。
新商品、クアッド共々、今週もどうぞよろしくお願い申し上げます!
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